2011 Fiscal Year Annual Research Report
異質倍数性植物コムギにおけるステロール代謝パスウエイの特性解析
Project/Area Number |
21580080
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村中 俊哉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60342862)
|
Keywords | ステロール / 代謝工学 / コムギ / P450 / 同祖遺伝子 |
Research Abstract |
コムギESTならびに完全長cDNA情報から、ステロール生合成に関わるアセチルCoAからステロール骨格形成に至る経路の酵素に相当するcDNAを抽出し、これらのcDNAをシロイヌナズナで過剰発現させる。ステロールプロファイル分析による化学的表現型(ケミカルフェノタイプ)を調査し、コムギにおけるステロール生合成遺伝子群の機能を明らかにすること、さらに、コムギにおけるステロール生合成遺伝子群について同祖遺伝子ごとにゲノムマッピングを行うとともにRT-PCR解析、マイクロアレイ解析による遺伝子発現解析の結果とシロイヌナズナを用いた酵素機能解析の結果を統合し、コムギ同祖遺伝子間における遺伝子機能の差異を明らかにするとともに、コムギステロール代謝パスウエイの特性を明らかにすることを目指す。昨年度までに、ステロールC-22不飽和化酵素遺伝子である3種のコムギP450(CYP710Aサブファミリー)TaCYP710A8-A, TaCYP710A8-B, TaCYP710A8-Dの植物体での機能を調べるために、各遺伝子をシロイヌナズナで高発現させた。その結果、いずれの分子種を過剰発現したものでは、炭素数29のシトステロールのC-22不飽和化されたスティグマステロール含量が10-20倍上昇した。さらにTaCYP710A8-AあるいはTaCYP710A8-Dを高発現したシロイヌナズナのみで24-メチレン-Δ22ステロールレベルが増加した事から、A,Dタイプの分子種は、炭素数28のステロールの不飽和化にも機能することがわかった。以上、コムギにおけるステロール生合成遺伝子において、コムギ同祖遺伝子間における遺伝子機能の差異が明らかとなった。
|
Research Products
(9 results)