2009 Fiscal Year Annual Research Report
微生物モデルによる動物型細胞質分裂及び基質接着の分子機構と現象間相互作用の解析
Project/Area Number |
21580085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 博之 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00211699)
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Keywords | 微生物 / 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 |
Research Abstract |
細胞分裂は生命の本質に関わる現象であり、その分子機構解明は生物学の重要な課題であるだけでなく、特に動物細胞においては制ガン剤の開発など応用面においても重要である。一方、動物細胞の基質接着は、組織の発生・分化・形態形成や細胞遊走に決定的な役割を果たすため創薬のターゲットとなっているが、近年、その細胞分裂への関与が報告されるようになり、細胞遊走、細胞分裂との関係も含めた分子機構解明が急務である。本研究は、真核微生物である細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの単細胞アメーバを動物型細胞のモデルとして申請者がこれまで行ってきた動物型細胞質分裂の分子機構解析を基質接着との関連にも考慮して推進することを目的としている。具体的に初年度の平成21年度では、既に同定済みの細胞性粘菌細胞質分裂関連タンパク質のうちD411-2pについて、遺伝子破壊株の基質接着強度が親株に比べて亢進していることを実験的に示すとともに、C末端を含む比較的小さい領域が、アクチン細胞骨格を介して細胞質分裂を含む細胞機能に重要な働きをすることを明らかにした。さらにD411-2pに関連して、D411-2p相同タンパク質CD1AとCD1Bの遺伝子破壊株とGFP融合タンパク質発現株の作製を行い、これらの生理機能解析の準備をほぼ完了した。また、これらも含めた既知細胞質分裂遺伝子間の相互作用解析を、新しい低ノイズ高感度の酵母2ハイブリッド法で行うためにプラスミドの乗せかえ作業を行った。インテグリンベータ様タンパク質群については、未解析の6種について遺伝子破壊株を作製して全種類の遺伝子破壊株が揃い、1種以外についてはGFP融合タンパク質発現プラスミドが完成し、インテグリンベータ様タンパク質の包括的生理機能解析の準備がほぼ完了した。
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Research Products
(2 results)