2010 Fiscal Year Annual Research Report
微生物モデルによる動物型細胞質分裂及び基質接着の分子機構と現象間相互作用の解析
Project/Area Number |
21580085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足立 博之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00211699)
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Keywords | 微生物 / 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 |
Research Abstract |
細胞分裂は生命の本質に関わる現象であり、その分子機構解明は生物学の重要な課題であるだけでなく、特に動物細胞においては制ガン剤の開発など応用面においても重要である。一方、動物細胞の基質接着は、組織の発生・分化・形態形成や細胞遊走に決定的な役割を果たすため創薬のターゲットとなっているが、近年、その細胞分裂への関与が報告されるようになり、細胞遊走、細胞分裂との関係も含めた分子機構解明が急務である。本研究は、真核微生物である細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの単細胞アメーバを動物型細胞のモデルとして申請者がこれまで行ってきた動物型細胞質分裂の分子機構解析を基質接着との関連にも考慮して推進することを目的としている。具体的に2年目の平成22年度では、既に同定済みの細胞性粘菌細胞質分裂関連タンパク質のうちD411-2pについて、大腸菌でGST融合タンパク質として生産、精製した全長及び部分断片タンパク質がアクチン線維と低速遠心で共沈することから、同タンパク質がアクチン線維の高次構造形成に関わることを明らかにした。さらにD411-2pに関連して、D411-2p相同タンパク質CD1AとCD1Bの遺伝子破壊株とGFP融合タンパク質発現株について解析し、CD1Bについて細胞質分裂に関わる可能性を示唆する結果を得た。これについては今後詳しく解析する予定である。インテグリンベータ様タンパク質群については、未解析だった6種について遺伝子破壊株に加えて、GFP融合タンパク質発現株を取得し(1種については点変異を持つ)、細胞内局在に関する予備的結果を得た。未解析だった6種のうち1種と解析が進んでいた5種のうち1種の計2種については、未同定の細胞内小胞の膜に局在していることが示唆された。この小胞を同定し、その小胞と細胞質分裂の関係を解析するのも今後の課題である。
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Research Products
(2 results)