2011 Fiscal Year Annual Research Report
自然界の有用環状含硫化合物のC-S結合と開裂反応に関連の酵素類の構造と機能解析
Project/Area Number |
21580093
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
和泉 好計 鳥取大学, 工学研究科, 名誉教授 (40026555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 信寛 鳥取大学, 農学部, 教授 (30127469)
|
Keywords | 炭素-硫黄結合 / 好熱性微生物 / ビオチン生合成系酵素 / Bio酵素 / バイオインフォマティクス / bio遺伝子 / 好熱性酵素 / BioF |
Research Abstract |
本研究では、炭素-硫黄(C-S)結合の形成反応と開裂反応に関連の一連の酵素類の構造と機能解析を行うことによって、環状含硫化合物のC-S結合に関連の酵素類に関する世界で初めてのライブラリーを構築する。構築されたライブラリーは将来、自然界で重要な役割を演ずる有用な環状含硫化合物の微生物代謝や環境浄化などの応用的研究に有用な基本情報と技術を提供するライブラリーとなることを本研究の目的とする。今年度の具体的な酵素類としてはC-S結合の形成に至る酵素系の例として、今まで全く報告がない好熱性微生物のBio酵素類(ビオチン生合成系酵素類)を対象とした。 今年度は、前年度までにバイオインフォマティクスの手法で世界で初めて見いだした好熱菌のビオチン生合成系bioF遺伝子ホモログの組換えBioF酵素ホモログの特性を解明した。その結果、5種類の好熱菌Aquifex aeolicus VF5, Clostridium thermocellum ATCC27405, Geobacillus kaustophilus JCM12893, Symbiobacterium thermophilum IAM14863,及びThemosynecoccus elongatus BP-1のbioF遺伝子ホモログを大量発現させた。その組換え酵素AqBioF, CltBioF, GkBioF, SytBioF,及びTseBioFを単一に精製したのち、これらのBioFの酵素科学的特性を解明し、温度特性に関して予想以上に常温菌のBioFよりも高い熱安定性と高い至適温度を示すことを明らかにした。これらのデータはα-オキソアミンシンターゼ系酵素として初めての酵素であることを示すことができた。また実用的酵素の特性として重要な基質特異性に関しても、今までα-オキソアミンシンターゼ系酵素では報告のない広い基質特異性を示すBioF酵素の存在を明らかにすることができた。
|