2010 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌の形態形成・分化を制御する糖転移酵素群の機能同定
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21580096
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後藤 正利 九州大学, 大学院・農学研究院, 寄附講座教員 (90274521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹川 薫 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (50197282)
二神 泰基 九州大学, 大学院・農学研究院, 寄附講座教員 (60512027)
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Keywords | 糸状菌 / O-結合型糖鎖 / 糖転移酵素 / Aspergillus |
Research Abstract |
本研究では、A.nidulansを対象としてO-結合型糖鎖伸長に関与する糖転移酵素を同定し、その機能を明らかにすることを目的する。A.nidulansのα-mannosyltransferaseをコードすると推定されるmntA、mntB、mntC遺伝子を出芽酵母のα-1,2-mannosyltransferase(kre2、ktr1、ktr3)3重破壊株に導入して、イムノブロットにより各mnt遺伝子が酵母菌で発現していることを確認した。酵母宿主細胞は温度感受性を示すが、mntB導入株では温度感受性を相補した。mntA及びmntC導入株では相補しなかった。以上の結果から、少なくともMntBは酵母のα-1,2-mannosyltransferase様の機能をもつことが明らかになった。一方、A.nidulansの野生株、mntA破壊株及びmntC破壊株の菌糸体からヒドラジン分解によってO-結合型糖鎖を切り出し、HPLCにより分析した。その結果、mntAとmntC破壊株において、野生株に比べ量の減少した二糖類と推定されるピークが認められた。質量分析解析により、この二糖類の還元末端は、既報のヘキソースとは異なる糖が結合していることが示唆された。さらに、A.nidulans野生株、mntAおよびmntC破壊株の膜タンパク質を酵素源、4MU-α-mannopyranosideを糖受容体、GDP-mannose(GDP-Man)を糖供与体として用いることにより、糖転移活性測定を行った。その結果、各mnt破壊株においては、野生株と同様のMan-α1,2-Man及びMan-α1,3/1,6-Manに相当する糖転移産物が確認された。この結果は、mnt破壊株において糖転移活性が低下するという推測と異なるものであった。以上の結果より、MntA及びMntCは、出芽酵母のα-1、2-mannosyltransferaseとは異なる糖を転移する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)