2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜リン脂質に見られる脂肪酸種の不均衡分布機構の解明
Project/Area Number |
21580099
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
玉置 尚徳 Kagoshima University, 農学部, 准教授 (20212045)
|
Keywords | アシル転移酵素 / 脂質の不均衡分布 / 酵母 / 細胞膜リン脂質 |
Research Abstract |
平成21年度の研究計画に基づいて酵母アシル転移酵素LPT1と細胞膜リン脂質の不均衡分布の関連を解析した。LPT1は、リゾリン脂質に不飽和結合を含むアシル基を好んで転移することが我々を含む研究グループによって報告されている。そこで、LPT1遺伝子破壊株、LPT1高発現株を構築し、それぞれの培養菌体よりBligh&Dyer法により脂質を抽出し、アルミナカラムを用いてリン脂質の精製を行った。このようにして得られたリン脂質をLC-MSを用いて解析したところ、それぞれ株において細胞膜構成リン脂質に含まれる二重結合の割合に変化は認められなかった。酵母にはアシル転移酵素としてLPT1の他にSLC1が知られており、2つの酵素はホスファチジン酸合成において協調して働いていると考えられたことから、新たに分裂酵母においてLPT1,SLC1それぞれの遺伝子破壊株、高発現株の構築を行った。SLC1遺伝子破壊株にLPT1高発現プラスミドを形質転換した株より調製したミクロソーム画分を用いて酵素活性をしらべたところ、不飽和結合をもつアシル基に高い特異性を示した。さらに、LPT1遺伝子破壊株にSLC1高発現プラスミドを導入した株を構築し酵素の基質特異性をしらべたところ、SLC1はリゾホスファチジン酸に高い特異性を示したが、リゾホスファチジルコリンでは活性の有無は確認できなかった。現在、高発現したSLC1が可溶化できる条件を見出し酵素の精製を行い性質の解明に向けて研究を進行している。
|
Research Products
(9 results)