2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸内の過酸化物を迅速に分解するプロバイオティックス乳酸菌の開発
Project/Area Number |
21580101
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
新村 洋一 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (00180563)
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Keywords | 乳酸菌 / プロバイオティックス / 過酸化脂質 / 過酸化水素 / 過酸化水素分解 / 過酸化脂質分解 / Mg-catalase / NADH peroxidase |
Research Abstract |
本申請の最終目標は、生きて腸内に到達し、腸内の過酸化脂質と過酸化水素を迅速に分解する乳酸菌株の機能開発である。 プロバイオティックス分野で、多種の乳酸菌開発が報告されているが、菌体外の過酸化物を分解する菌株開発の報告は、一般微生物界においても見いだせなかった。従って本申請では、目的株の分離からスタートし、既に過酸化脂質分解菌(L. plan. P2株)と過酸化水素分解菌(P. pent. Be1株)を分離後、本年度は分解関与の各過酸化物還元酵素系を精製を試み、両株の全関与酵素完全精製に成功した。P. pent. Be1株は、Mg-catalase, NADH peroxidase, NADH alkylperoxide reductase, NADH oxidaseを有し、L. plan. P2株は、NADH peroxidase, 2種のNADH alkylperoxide reductase, NADH oxidaseを有していた。各精製酵素の反応解析(反応生成物、Km, Vmax)の結果、過酸化水素分解力の強いP. pent. Be1株は、2個の強力な過酸化水素分解酵素を持ち、過酸化脂質分解力の強い菌L. plan. P2株は、2個の強力な過酸化脂質分解酵素を持っていた。 次年度は、過酸化物分解反応安全性確認のための、遺伝子のクローニングと発現系の構築、それを用いた腸内条件(嫌気環境)における発現解析が具体的目標となる。
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