2010 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の呼吸と二次代謝の連携:末端酸化酵素の新たな役割
Project/Area Number |
21580103
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
上田 賢志 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (00277401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 英晃 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (50385994)
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Keywords | Streptomyces / respiration / cytochrome oxidase / Scol / antibiotics / cell differentiation / regulation / conservon |
Research Abstract |
1各呼吸鎖末端酵素の欠失変異体の特性解析: 複合体IVの破壊株にみられるグルコース特異的な酸生成は、クエン酸・ピルビン酸・リンゴ酸の蓄積によることが判明した。Streptomycesの野生株は液体培養の初期に菌体の凝集と沈降をおこすが、sco1破壊株ではそれが認められないことが明らかになった。このことから、Sco1が菌体の凝集関与するリジルオキシダーゼHyaSの活性化に関与することが示唆された。 2細胞内ATP濃度と分化・二次代謝の関連に関する検証: ATP合成阻害剤の添加が及ぼす影響を調査し、強力な脱共役剤として知られるCCCPの添加がいくつかの呼吸酵素変異株において顕著な分化誘導活性を示すことが明らかになった。ctaCD破壊株の分化欠損に対するサプレッサー変異株の取得に成功しくその細胞内ATP濃度が野生株レベルに低下していることを見いだした。 3呼吸鎖末端酵素の発現調節機構の解明: sco1遺伝子の転写が銅イオンの添加によって抑制される現象について、同様の抑制がECFσ因子とそのアンタゴニストをコードするS.griseusのオペロンにおいても起こっていることを見いだし、銅イオンによって抑制されるプロモーター共通配列を見いだした。おそらく上記のECFσ因子がこのプロモーターを認識・発現を司り、アンタゴニストによるその活性の抑制が銅イオンの添加によって促進されると予想された。
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