2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580114
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
榊原 陽一 宮崎大学, 農学部, 准教授 (90295197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水光 正仁 宮崎大学, 農学部, 教授 (00128357)
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Keywords | 硫酸転移酵素 / 硫酸化 / 胆汁酸 / 解毒代謝 |
Research Abstract |
SULT2A4の部位特異的変異の導入による触媒反応メカニズムの解明 SULT2A4の反応メカニズム解明のため、触媒中心に位置するLeu99およびHis48を標的として部位特異的変異の導入を行い、L99H、H48T、H48N、E237A、E237Qの5種の解析を行った。 一般に硫酸転移酵素SULTは、Leu99(SULT2A4の場合)の位置にHisが保存され、触媒残基として機能している。SULT2A4においては、保存されたHisが無く、His48が代わりの触媒残基としてプロトンを引き抜く重要な残基と予想される。H48T、H48Nの解析結果より、His48に変異を導入した変異酵素においては、活性が著しく低下し、予想を指示する結果が得られた。さらに興味深い結果として、L99Hにおいては、活性は比較的保持されたまま、野生型SULT2A4では全く活性を示さなかったPregnenoloneやDHEAに活性を示すようになった。この結果は、ステロイドC-3位の水酸基を硫酸化したと考えられ、変異により導入されたHis99がステロイドC-3位の水酸基からプロトンを引き抜き、硫酸化反応を触媒したと考えられた。 Glu237の変異酵素においては、活性低下はほとんど確認できなかった。 これらの結果より、SULT2A4は、胆汁酸C-7位の水酸基を特異的に硫酸化する非常にユニークな硫酸転移酵素である。その生理機能としては、細胞毒性の高い2次胆汁酸の生成を抑える機構への関与が考えられた。すなわち1次胆汁酸から2次胆汁酸への腸内細菌による代謝の初期に関わるC-7位の脱水酸化をあらかじめ硫酸化しておくことで抑制し、毒性の高い2次胆汁酸の生成を抑制する解毒機構として機能している可能性が考えられた。
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Research Products
(15 results)