2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580118
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
笠井 由紀 北里大学, 海洋バイオテクノロジー釜石研究所, 上級研究員 (20416572)
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Keywords | 嫌気性細菌 / Azoarcus / ベンゼン分解系遺伝子 / methyltransferase / タンパク質発現 |
Research Abstract |
嫌気環境下でベンゼンがどのように生物学的に分解・代謝されるか徐々に明らかになりつつあるが、未だ完全には解明されていない。本研究では嫌気ベンゼン分解菌Azoarcus sp.DN11株を使用して嫌気ベンゼン分解経路の解明、および分解系遺伝子の解析を行うことを目的としている。 前年度までに嫌気ベンゼン分解に伴い発現誘導を受ける遺伝子の解析をSubstrate-induced gene expression(SIGEX)法とcDNA subtraction法で行い、検出された嫌気トルエン分解系遺伝子群に近接してmethyltransferase(CR000122)が存在することを明らかにした。この遺伝子とその他いくつかのmethyltransferase遺伝子を候補遺伝子として活性を解析するためにpETベクターにクローニングし、大腸菌内で発現誘導を行ったところ、発現タンパク質が不溶画分に留まり活性を測定できなかった。そこで、pColdIIIベクターにクローニングしシャペロンプラスミドを保有する大腸菌で発現誘導を行うことで発現タンパク質を可溶化させることに成功した。細胞抽出液にS-adenosylmethionineとベンゼンを添加して反応させFID付ガスクロマトグラフで解析したところ、CR000122を含むいくつかのmethyltransferase遺伝子発現大腸菌粗抽出液でトルエンと同じリテンションタイムを持つピークが検出された。同時にmethyltransferase活性測定キットでベンゼンに対する酵素活性を解析したところ、コントロールと比較してメチル基転移活性が上昇していることが示唆された。現在、他の基質に対しての活性を解析しているところである。
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