2009 Fiscal Year Annual Research Report
免疫(感染防御)システムに有利なタンパク質摂取法の解明
Project/Area Number |
21580135
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大荒田 素子 Chiba University, 真菌医学研究センター, 助教 (40211784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 克彦 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (10214545)
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Keywords | 栄養学 / 感染症 / タンパク質 / 免疫学 / ストレス |
Research Abstract |
低タンパク質食の摂取により、標準タンパク質食の摂取とくらべて、感染にともなう炎症反応が軽減され、予想に反して病原真菌に対する感染防御能が亢進した。この結果から推測すると、低タンパク質食とは逆に、栄養価の高い(アミノ酸バランスのよい)タンパク質を過剰摂取した場合、感染にともなう炎症反応が強まり、宿主の組織障害が増大し、感染防御能が低下することが考えられる。そこで、栄養価の高い動物性タンパク質(ミルクカゼイン)を高含量(54%w/w)含んだ食餌の摂取が、病原真菌Paracoccidioides brasiliensis感染症に対する防御能および炎症反応におよぼす影響について、標準(20%)および低(5%)タンパク質食摂取の場合と比較した。その結果、高タンパク質摂取で、低タンパク質もしくは標準タンパク質食摂取とくらべて、脾臓および肝臓の抗菌活性能が低下した。また、高タンパク質摂取により、脾臓と肝臓で、感染にともなう抗菌ペプチド(ミエロペルオキシダーゼ、カテプシンG、エラスターゼ2)の遺伝子発現の増加が強まった。さらに、肝臓でのインターフェロン-γ、inducible nitric oxide synthaseおよび過酸化脂質の感染による産生量の増加が、高タンパク質食摂取により増大した。これらの結果は、アミノ酸バランスのよいタンパク質の過剰摂取が、P.brasiliensis感染にともなう宿主の炎症反応を増大させ、酸化ストレスを促進し、感染防御能を低下させることを示している。
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