2011 Fiscal Year Annual Research Report
腸上皮代謝回転におけるMT―SP1の役割解明とその活性化を制御する食品成分の探索
Project/Area Number |
21580138
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
都筑 巧 京都大学, 農学研究科, 助教 (50283651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和生 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80213148)
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Keywords | 腸上皮 / 代謝回転 / 基底膜 / MT-SP1 / 活性化制御 |
Research Abstract |
膜結合性セリンプロテアーゼ(membrane-type serine protease1,以下MT-SP1)は腸管などの管腔表面を構成する単層上皮細胞に発現する酵素である。単層上皮細胞は細胞外マトリックスで構成される基底膜を足場として接着しているが、我々はMT-SP1が基底膜成分を分解する活性があることをみいだしてきている。MT-SP1はこのような活性があることからmatriptaseとも呼ばれている。本研究ではMT-SP1(MT-SP1による基底膜の分解)の単層上皮細胞(特に腸管細胞)の代謝回転における役割を明らかにすることを第一の目的とした。さらにMT-SP1の活性化機構についての知見を拡充するとともに、本酵素の活性化を制御する食品成分の探索を行うことも目的とした。本研究において酵母Pichia pastorisを用いて生産した活性型のリコンビナントのMT-SP1(rMT-SP1)が小腸上皮のモデルであるIEC-6細胞の剥離とアポトーシスを引き起こすことを明らかにした。このことから本酵素は腸管上皮の代謝回転において細胞脱落に寄与していることが示唆された。また、rMT-SP1によるIEC-6細胞の剥離は亜鉛プロテアーゼによって仲介されることも明らかにした。これまでにMT-SP1の活性化は前駆体酵素間の相互作用により行われることが考えられてきた。我々は動物細胞で生産した一本鎖のrMT-SP1(MT-SP1 pseudozymogen)がプロテアーゼ活性を有することを明らかにした。このことからMT-SP1の活性化には前駆体酵素の活性が必須であることが示唆された。また、MT-SP1 pseudozymogenは145mM塩化ナトリウム存在下で活性がほとんど消失すること、CUBドメインペプチドによって活性が阻害されることを明らかにした。
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