2009 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性生理活性因子であるアマニ由来リグナンの作用機構解明と構造活性相関の検討
Project/Area Number |
21580142
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
菅原 卓也 Ehime University, 農学部, 准教授 (00263963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 聡 愛媛大学, 農学部, 教授 (00243808)
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Keywords | セコイソラリシレジノール / アマニリグナン / 構造活性相関 / 脂肪蓄積抑制 / 免疫促進効果 |
Research Abstract |
アマニリグナンであるセコイソラリシレジノール(SECO)には免疫促進活性や脂肪蓄積抑制活性など、多機能性を有することが明らかとなっている。天然においてSECOはラセミ体として存在しているものの、これまでの研究で、SECO光学異性体のうち(-)体SECOの方がより生理効果が高いことが明らかとなっていることから、(-)SECOとその誘導体18種類を合成し、生理機能と分子構造の関連性の解明を行った。 ヒトハイブリドーマ細胞株の抗体産生に及ぼす効果を検討したところ、(-)SECOの抗体産生促進活性にはベンゼン環上のフェノール性水酸基とメトキシ基の数と位置が大きな影響を及ぼすことが明らかとなったものの、(-)SECOよりも強く抗体産生を促進する誘導化合物は認められず、活性を持たない誘導化合物も存在することが明らかとなった。 マウス3T3-L1脂肪細胞に対するSECO誘導体の効果を検討したところ、(-)SECOは3T3-L1脂肪細胞の脂肪蓄積を強力に抑制したものの、(+)SECOを含め、(-)SECO誘導体はいずれも(-)SECOほどの強い脂肪蓄積抑制効果を示さなかったことから、脂肪蓄積に対する効果は、(-)SECOの分子構造に特異的な生理作用である可能性が高いことが明らかとなった。 さらに、マウス大腸がん由来Colon26細胞に対する細胞毒性を評価した結果、天然体である(-)SECOには細胞毒性はないものの、メトキシ基とフェノール性水酸基の数と位置によって、細胞毒性を示す物と、全く細胞毒性のない物とに明確に分類できた。また、Colon-26細胞に強く細胞毒性を示した化合物について、マウス胎児由来正常線維芽細胞(初代細胞)に対する細胞毒性を評価した結果、正常細胞には細胞毒性が低い化合物の存在が確認され、抗がん活性を有することが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)