2011 Fiscal Year Annual Research Report
多機能性生理活性因子であるアマニ由来リグナンの作用機構解明と構造活性相関の検討
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21580142
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学部, 准教授 (00263963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 聡 愛媛大学, 農学部, 教授 (00243808)
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Keywords | セコイソラリシレジノール / マタイレジノール / 構造活性相関 / 脂肪蓄積抑制効果 / 免疫促進 / 抗糖尿病効果 / 脂肪肝抑制 |
Research Abstract |
1.(-)SECOの脂肪蓄積抑制効果 マウス3T3-L1前駆脂肪細胞の分化誘導と同時に(-)SECOを作用させることにより、脂肪蓄積量の減少と油滴の小型化が確認された。リアルタイムRT-PCRの結果から、分化誘導した3T3-L1細胞のPPARγ2の遺伝子発現の上昇が(-)SECOの作用により、コントロールよりも早期に、かつ発現量も顕著に上昇することが確認された。また、アディポネクチン遺伝子の発現上昇もコントロールより早い段階で認められた。これらのことは、(-)SECOが分化誘導を時間的にも促進したことを示している。 次に、高脂肪食給餌下においてオスC57BL/6N々ウスに(-)SECOを経口投与したところ、摂取エネルギーには差はないものの、体重増加の抑制、および脂肪重量の低減効果が認められた。また、血中アディポネクチンの有意な増加、肝臓SREBP-1発現の抑制、および脂肪酸シンターゼ(FAS)の発現抑制効果があることが確認された。(-)SECOは脂肪細胞への分化誘導を促進するものの脂肪の蓄積は抑制し、結果として脂肪細胞により産生されるアディポネクチンの血中量が上昇したものと推察された。 2.(-)SECOの抗糖尿病効果 糖尿病モデルであるKK-A^yマウスの高脂肪食飼育下における(-)SECOの経口投与の効果を検討した。その結果、有意ではないものの体重増加の抑制作用、血糖値の抑制効果が認められた。また、明らかな脂肪肝の改善が認められ、皮下脂肪組織の重量の低下、肝臓および血中の中性脂肪値の低下が認められた。糖尿病の発症には炎症性サイトカインが関与することが知られている。そこで脾臓細胞の炎症性サイトカイン産生に及ぼす効果を検討したところ、(-)SECOの経口投与により、インターロイキン(IL)-1β、および腫瘍壊死因子(TNF)α産生が有意に抑制されることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)