2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビート食物繊維は視床下部レプチンレセプター発現増加によりラットの食欲を低下させる
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21580143
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岸田 太郎 愛媛大学, 農学部, 准教授 (80304658)
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Keywords | 食物繊維 / 摂取エネルギー / レプチン / 視床下部 / ラット |
Research Abstract |
先に甜菜よりの製糖副産物であるビート食物繊維の混時投与がラット摂取エネルギーおよび脂肪組織重量を低下させる効果を持つことを見出しその機構を検討している。 これまでの検討でビート食物繊維の効果が再現しない実験例が見られ、これが基本飼料の組成およびラットの高脂肪食に対する応答のばらつきにあると考え検討したところ、スクロースおよび脂質含量をAIN93組成より強化した食事性肥満飼料飼育において、AIN93組成より脂質含量のみを強化した場合に比べラット摂取エネルギーおよび体脂肪が良く増加し、ビート食物繊維の混時投与がこれをよく抑制した。また、体重増加を指標に肥満傾向を重度、中度および軽度に分けて統計処理したところ、ビート食物繊維の効果は肥満傾向が重度および中度の場合に顕著に見られ、軽度の場合にはほとんど効果が見られなかった。至適化した条件で視床下部および消化管の食欲制御因子へのビート食物繊維の影響を解析中である。 これまでの検討で稀に効果の小さいビート食物繊維のロットが見られている。これについて成分組成と効果の関係を調べたところ、食物繊維含量自体はロット間で大きな相違は無く、効果との関連も見出せなかったが、組成中の主要な食物繊維の一つであるペクチンのメトキシ化度が小さいと効果が見られない可能性が示唆された。 ビート食物繊維は食事されると消化管で嵩張り、物理的な刺激を与えており、これが摂取エネルギーおよび脂肪組織重量を低下させる機構に関連している可能性は高い。こうした刺激の伝達に関与している迷走神経を切断術により遮断した動物を用い、刺激による神経的な連絡が効果に関与しているか検討した。ビート食物繊維の効果は迷走神経の遮断により消失したものの、コントロール群の摂取エネルギーも無手術の場合に比べ低下してしまい、現在手術方法を再検討中である。
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Research Products
(9 results)