2011 Fiscal Year Annual Research Report
ビート食物繊維は視床下部レプチンレセプター発現増加によりラットの食欲を低下させる
Project/Area Number |
21580143
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
岸田 太郎 愛媛大学, 農学部, 准教授 (80304658)
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Keywords | 食物繊維 / 摂取エネルギー / レプチン / 視床下部 / ラット |
Research Abstract |
先に甜菜よりの製糖副産物であるビート食物繊維(BF)混時投与がラット摂取エネルギーおよび脂肪組織重量を低下させる効果を持つことを見出しその機構の解明を目指している。この際、視床下部レプチンレセプター(Ob-Rb)遺伝子発現の増加が見られ機構との関連を検討している。 体重増加を指標に肥満傾向を重度、中度および軽度に分けて統計処理したところ、BFの効果は肥満傾向が重度および中度の場合に顕著に見られ、軽度の場合にはほとんど効果が見られなかった。視床下部および消化管の食欲制御因子へのBFの影響を調べたところ、意外なことに、肥満傾向性ラットよりBFの摂取エネルギー低下効果が小さかった肥満抵抗性ラットにおいてOb-Rb遺伝子発現が増加する傾向が見られた。この際肥満傾向性ラットでは血中レプチン濃度がBF摂取により低下したが肥満抵抗性ラットでは変化しなかった。BF摂取による血中レプチン濃度の変動がOb-Rb遺伝子発現の変動に関与している可能性が考えられた。 迷走神経切断術を行うと摂取エネルギーにはBF摂取の影響は見られなくなったが、無手術では低下傾向を示した。しかし、迷走神経切断術により飼料摂取量が低下しており、手術の影響により食事制限を受けていることが推測された。一方抹消から中枢への迷走神経路のみを切断するカプサイシン(CAP)腹腔内投与を行っても飼料摂取量は低下せず、摂取エネルギーはBF摂取により低下傾向を示した。BFの摂取エネルギー低下作用に迷走神経の連絡は必要なく、むしろ血液経路を介して起こっていることが示唆された。Ob-Rb遺伝子発現は遮断術の施術の有無に関わらずBF摂敢により増加傾向を示した。CAP投与の実験では投与の有無に関わらず、BFのOb-Rb遺伝子発現への影響は明確に観察することができなかった。CAP投与がOb-Rb遺伝子発現に与える影響については検討の余地が残った。
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Research Products
(3 results)