2009 Fiscal Year Annual Research Report
食品に含まれるピロロキノリンキノン誘導体の検索と定量に関する研究
Project/Area Number |
21580154
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
熊澤 武志 Showa University, 医学部, 教授 (00186470)
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Keywords | 食品化学 / 栄養生化学 / ピロロキノリンキノン / HPLC法 / MS / MS法 |
Research Abstract |
本年度は以下の検討を行った。 1. アミノ酸結合型PQQ誘導体の合成の検討。各種アミノ酸とPQQのインキュベーション条件(特にpH)等を変えてPQQ誘導体の合成の最適条件を検討した。また、合成した標準品はHPLC分取法を用いて精製を行い、純度は概ね98%以上が得られた。しかし、L-バリン、L-グルタミン、L-ロイシン、L-イソロイシン、L-レフェニルアラニン、L-チロシンを用いた合成では回収率が著しく低く、再検討の必要性が明らかとなった。 2. 内部標準物質の合成の検討。内部標準物質として安定同位体[13C]PQQ誘導体を使用する。最初にSuzuki and Kumazawaの方法(Methods Enzymol., 1997)に準じて[13C]PQQの合成を行い、約1.1mgを得た。次に、この[13C]PQQと各種アミノ酸との反応によるアミノ酸結合型[13C]PQQ誘導体の合成を1.の条件に準じて行い、精製はSep-Pak C18カートリッジ法にて行った。 3. 分析条件の検討。合成したPQQ誘導体の標準品及び内部標準物質を用いてHPLC条件を検討した。カラムはC18あるいはC8(長さ15cm x 内径2.1mm、粒径5μm及び3μm)を用いた。また、移動相は10mM酢酸アンモニウムとアセトニトリルを用いることで、PQQとPQQ誘導体の分離を行うことができた。 4. マススペクトル解析の検討。PQQ誘導体の標準品及び内部標準物質について、HPLC/MS/MS-Negative ESI法によるマススペクトル解析を行ったところ、MSでは偽分子イオン[M-H]-をベースピークとし、MS/MSではカルボキシル基が1~3個の開裂に伴うプロダクトイオンが出現する共通性が見られ、結果をまとめてスペクトルライブラリーを作成した。
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