2011 Fiscal Year Annual Research Report
食品に含まれるピロロキノリンキノン誘導体の検索と定量に関する研究
Project/Area Number |
21580154
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
熊澤 武志 昭和大学, 医学部, 教授 (00186470)
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Keywords | 食品化学 / 栄養生化学 / ピロロキノリンキノン |
Research Abstract |
本年度は以下の検討を行った。 1.アミノ酸結合型PQQ誘導体の抽出:Kumazawaらの方法(Biochem. J., 1995)に準じてアミノ酸結合型PQQ誘導体の抽出を行った。本年度はこれまでに分析が実施されていない清涼飲料水及び加工食品について検討した。また、昨年度に本研究で考案した陰イオン交換樹脂-固相抽出カートリッジを用いた抽出法を使用したところ、茶類、酒類、野菜ジュース類、乳製品において迅速な抽出が可能であった。回収率は70%以上であり、Kumazawaらの方法よりも簡便な抽出操作が実現できた。さらに、微量固相抽出装置であるMonoTip-C18チップを用いた抽出法も開発し、これはグリシン-PQQ誘導体を中心とするimidazopyrroloquinoline(IPQ)に適用できることが明かとなった。 2.アミノ酸結合型PQQ誘導体の同定及び定量:本年度は超高速HPLCの使用を試みたところ、多成分を分離能良く、シャープなピークで測定できることが明かとなった。特に、これはL-アラニン、L-アルギニン、L-システイン、L-グリシン、L-セリン等のアミノ酸結合型PQQの誘導体の分離性が向上することにつながった。MS検出では、IPQ以外の成分は微量であったことから選択反応モニタリング(SRM)法を採用して、ピーク強度パターンから同定を行った。定量では、超高速HPLC-MS/MS装置に試料の抽出物を導入したところ、測定した殆どの食品中にはIPQが最も高い割合で存在することが明らかとなった。その濃度は数ng~数百ng/gあるいはmlであった。しかし、他のアミノ酸結合型PQQ誘導体に関しては定量限界以下のものが多かった。本研究で開発した分析法の定量性及び再現性に関しては、米国食上品医薬品局の分析基準にほぼ合致することが明かとなった。
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