2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580160
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
竹中 麻子 明治大学, 農学部, 准教授 (40231401)
|
Keywords | ビタミンE / トコフェロール / 不安行動 |
Research Abstract |
本研究課題は、食餌から摂取するビタミンEが不安行動を制御する機構を解明することを目的としている。2011年度は、特にビタミンEの有する抗酸化作用が不安制御にどのように寄与するかに焦点をあてて研究を推進した。 1)酸化ストレスを介した不安行動制御機構 ビタミンEは抗酸化ビタミンであることから、ビタミンE欠乏は体内で酸化ストレスを引き起こす。そこで、不安行動の増加が酸化ストレスによって引き起こされる可能性を検討した。水溶性抗酸化ビタミンであるビタミンCの欠乏ラットで不安行動が増加するかどうかを検討した結果、(1)ビタミンC欠乏でも、欠乏症状の発症より早く3日から7日で不安行動が増加すること、(2)不安行動が血中グルココルチコイド濃度の上昇を伴うこと、(3)不安行動がGABA作動性の抗不安薬で解消可能なこと、(4)不安行動がビタミンC再摂取で回復しないこと、(4)不安行動がタミンEの同時摂取で抑制可能なこと、等を明らかにした。行連の結果から、ビタミンC欠乏による酸化ストレスが脳内の神経伝達阻害を介してグルココルチコイドの分泌亢進を引き起こすことが不安行動増加の要因である可能性を示した。 2)内分泌系を介した不安行動制御機構 グルココルチコイド分泌を制御するHPA axis[視床下部からの副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)が下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌を介して副腎からのグルココルチコイド分泌を引き起こす]がビタミンE欠乏時の不安行動増加応答にどのように寄与するかを検討した。その結果、ビタミンE欠乏ラットに拘束ストレスを与えてもグルココルチコイド分泌は増加しないこと、ビタミンE欠乏ラットの副腎で、グルココルチコイド合成の律速酵素の遺伝子発現は増加しないことを示した。一連の結果から、ビタミンE欠乏時にはグルココルチコイドの分泌制御段階に変化が生じている可能性を示した。
|
Research Products
(13 results)