2009 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン誘導体の生体内代謝と抗酸化作用発現機構の解明
Project/Area Number |
21580161
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
一柳 孝司 Kagawa University, 農学部, 准教授 (00288226)
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Keywords | 食品機能化学 / 抗酸化物質 / 体内動態 |
Research Abstract |
ベニバナ種子残渣に含まれる二種類のセロトニン誘導体は動脈硬化抑制作用を有することがヒトや実験動物のレベルで実証されている。これらの成分を摂取した場合の体内動態の解明は重要な課題であるが、同成分の消化管吸収や代謝に関する報告は成されていない。私はこれまでに上述のセロトニン誘導体が生体内に直接、吸収されることを明らかにする一方、血中においてはセロトニンのグルクロン酸抱合体と予想される成分および、これらの代謝物が更に何らかの修飾を受けた代謝産物が多量に存在することを見出してきた。特に後者の代謝産物の血中における存在量は投与したセロトニン誘導体の血中濃度の約20倍にも達することからグルクロン酸抱合体と共に、生体内における機能発現形態であることが強く示唆され、とりわけ動脈硬化抑制作用への関与が期待される。平成21年度は、先ず、グルクロン酸抱合体と思われる代謝物に関して、構造情報を得ることとした。二種類の代謝物を含む血漿をグルクロニダーゼ処理することにより、これらのピークが共に減少することから、両代謝物ともグルクロン酸抱合を受けたものであることが示唆された。そこで、これらの代謝物をラット尿・胆汁から単離・精製し、質量分析を実施したが、明確な構造情報を含む質量スペクトルは得られなかった。その一因として、LC-MSMSにおけるイオン化条件が適当でないことや、分取した代謝物の純度不足などが考えられる為、現在、核磁器共鳴測定に耐えうる純度の代謝物の大量精製と質量分析のイオン化条件の最適化を検討中である。
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