2009 Fiscal Year Annual Research Report
リパーゼ触媒アシル化によるアントシアニン色素の高機能化
Project/Area Number |
21580165
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Research Institution | Minami Kyusyu University |
Principal Investigator |
寺原 典彦 Minami Kyusyu University, 健康栄養学部, 教授 (60155471)
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Keywords | アシル化アントシアニン / リパーゼ / アシル化 / 安定性 / 機能性 |
Research Abstract |
本課題研究は,入手容易で比較的単純な構造をもつアントシアニン(AN)基質から,芳香族有機酸(Ar)や脂肪族有機酸(Al)を複数もち,天然型相当あるいはそれ以上の,もしくは新規な機能性が期待できる非天然型のポリアシル化アントシアニン(Ar/Al-AAN)類を,酵素(リパーゼ)触媒で合成することを目的とした。 そのため,平成21年度は必要な色素基質類の調製を行った。まず,市販の紫トウモロコシ色素製剤を入手し,主要成分であるC3Gを各種吸着(XAD-2000, PVP)カラムクロマトグラフィーや分取ODS-HPLCシステムなどを用いて大量単離精製・調製を行った。単離色素の酸加水分解による化学分析,フォトダイオードアレイ検出器-HPLC分析,UV-Visスペクトル測定,及びESI-TOF/MSによる分子量及びフラグメンテーション観察を行い,標準C3Gとの比較した結果,C3Gと確認できた。最終的に純度90%以上のC3Gのトリフルオロ酢酸塩が約3g得られた。同様に,市販の紫甘しょ"アヤムラサキ"より得た粗抽出色素からモノアシル化AN類のYGM-2(約0.5g)やYGM-5b(約1g)を,市販の紫シソ葉よりシソニンを約1g得ることができた。さらに,紫甘しょ粗抽出色素のアルカリ加水分解物より,ペオニジン3-ソホロシド-5-グルコシドを約0.5g得ることができた。これらの単離AN類についてもC3Gと同様の手法で構造確認できた。 今後,単離できたC3Gおよび関連AN類を用い,リパーゼ酵素合成の試み,及び調製Ar/Al-AAN類の健康維持食品への応用のための各種特性を検討したい。このようなAr/Al-AAN類が大量調製できれば高度有効利用や応用分野の拡大にも貢献しうるものと期待される。
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