2012 Fiscal Year Annual Research Report
血糖値の上昇抑制作用を有する遅消化性澱粉の物理化学および機能特性に関する研究
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21580166
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
佐々木 朋子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (10353939)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 澱粉 / 非澱粉性多糖類 / 遅消化性 |
Research Abstract |
本年度は、澱粉消化性の制御要因を明らかにし、澱粉中の遅消化性澱粉(SDS)を増加させる要因を解明するために、昨年に引き続き、澱粉と非澱粉性多糖類の分散系を用いて、澱粉の消化作用を制御する多糖類の探索を行うとともに、澱粉の消化速度を抑制する多糖類については、その制御機構を明らかにするために、水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用いて、澱粉と多糖類の相互作用の解析を行った。 QCMによって相互作用の解析を行うために、QCMのセンサー上に澱粉を固定化させる方法を検討した。その結果、馬鈴薯アミロペクチンのもつリン酸基を利用し、センサー上に安定して吸着するリジン層の上に、電荷の違いにより馬鈴薯アミロペクチンが吸着することを確認した。さらに分散媒としてマレイン酸バッファーを使用すると馬鈴薯アミロペクチンが安定して吸着することを確認した。センサー上に固定化させた馬鈴薯アミロペクチン層上に、in vitro評価系によってすでに、消化酵素による澱粉分解性に対して抑制効果をもつことが明らかになった多糖類(キサンタンガム、グアガム、コンニャクグルコマンナン、ペクチン)を添加し、馬鈴薯アミロペクチンと多糖類の相互作用を解析した。グアガム、コンニャクグルコマンナン、ペクチンを添加した際には周波数の増加が見られたが、キサンタンガムのみ周波数の減少が認められたため、アミロペクチン層にキサンタンガムが吸着し、質量が増加したために周波数が減少したと考えられる。さらに、キサンタンガム層に澱粉分解酵素のα―アミラーゼを添加したところ、周波数の変化がほとんど見られず、キサンタンガムの層により、アミロペクチンの酵素分解が阻害されることが明らかになった。これらの結果から、キサンタンガムが示した澱粉分解性に対する高い抑制効果は、澱粉とキサンタンガムの分子間の相互作用が主な要因であることが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)