2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580168
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
田村 基 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品機能研究領域, ユニット長 (70353943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 博之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品安全研究領域, 主任研究員 (30308192)
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Keywords | エコール / 腸内フローラ / ダイゼイン / エストロゲン / マウス |
Research Abstract |
本年度は、エコール菌投与がマウスの腸内フローラのエストロゲン代謝性に及ぼす影響をin vivoで検討するとともに、エコール菌のエストロゲン代謝性をin vitroで検討した。6週齢ICR雄マウス14匹にAIN(American Institute of Nutrition)-93Mを7日間給餌した後、7匹ずつ二群に分けて、AIN-93Mをベースとした10%ラード食に切り替えて、28日間給餌した。解剖10日前よりエコール菌投与群マウスに生理食塩水に懸濁したエコール菌を1日1回10日間連続で投与した。対照群には、生理食塩水を10日間連続で投与した。飼育期間終了後に解剖し、血液と盲腸内容物をサンプリングし、血漿の採取と盲腸内容物の重量測定を行った。血漿総コレステロール、トリグリセリド、リン脂質、血糖値等の測定を行った。また、エコール菌の投与開始7日後に糞便を採取・秤量した後、糞便を滅菌ホモジナイザー中で嫌気性希釈液とともにホモジナイズし、同希釈液で希釈・調製した糞便希釈液をβエストラジオールととともに嫌気培養を行い、マウス腸内フローラのエストロゲン代謝性について検討をおこなった。飼育期間中を通して糞便を採取・凍結乾燥し、糞便排泄量を全て測定した。エコール菌投与群、対照群ともにマウスの体重と摂食量に有意な差は認められなかった。また乾燥糞便重量においても有意な差は認められなかった。一方、糞便希釈液のβエストラジオール存在下での嫌気培養においては、エコール菌投与群が、対照め非投与群に比べて、βエストラジオールからエストロンへの代謝性が低い傾向が認められた。エコール菌のβエストラジオールの代謝性をin vitroでも検討したところ、エコール菌は、in vitroの嫌気培養において、産生量は低いものの、βエストラジオールからエストロンを産生することが示唆された。このようにin vivoの動物試験及びin vitroの培養試験結果から、エコール菌がマウスの腸内フローラのエストロゲン代謝に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)