2010 Fiscal Year Annual Research Report
寒温帯性針葉樹における樹高成長量の年次間変動に影響を及ぼす要因の解明
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21580191
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
関 剛 独立行政法人森林総合研究所, 北海道支所, 主任研究員 (40353742)
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Keywords | 樹高成長量 / 寒温帯針葉樹林 / 林冠木 / オオシラビソ / アオモリトドマツ / 気象要因 / 球果 / 花芽 |
Research Abstract |
本研究は、寒温帯針葉樹林で優占種となるモミ属樹種の林冠木を対象に、樹高成長量の年次間変動をもたらす要因の解明を目的とする。林冠木の樹高成長量は、森林の生産量や三次元的空間構造における経年的推移を予測する上で重要な要素である。 本年度は、本州の寒温帯林において優占樹種の一つであるオオシラビソ(アオモリトドマツ)を対象に、気象要因が林冠構成個体における樹高成長量の年次間変動を説明する要因として有効かどうか検討した。本種における先行研究で、最も有効な要因として検出されているのは、幹の伸長前年における球果生産である。幹の伸長前年および以降の気象要因は、球果生産ほど有効性を示していなかった。しかし、球果生産に影響を与える気象要因が球果生産自体よりも強い影響を樹高成長量に与えるのであれば、気象要因は樹高成長量の年次間変動を説明する上で有効であると考えられる。この観点から、球果生産に影響を与える気象要因の検出を行い、気象要因と樹高成長量との直接的な関係について解析した。同属樹種の先行研究では、花芽形成時期の気温が球果生産の年次間変動で重要であることが指摘されている。調査対象個体は、青森県八甲田山に生育している14個体である。 球果生産の年次間変動については、有効な気象要因が検出された。すなわち、球果生産前年の7月平均気温は球果数と強い正の関係を示した。この気象要因は、幹の伸長2年前の7月平均気温に相当し、樹高成長量と負の関係を示した。しかし、球果生産ほど強い関係を示さなかった。また、2つの気象要因によって樹高成長量を説明するモデルは、幹の伸長前年の球果生産を単一の要因とするモデルよりも有効性が低いと判断された。 樹高成長量の年次間変動を説明する上で、気象要因に有効性は認められるが、球果生産ほど有効ではないと考えられる。
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Research Products
(1 results)