2010 Fiscal Year Annual Research Report
樹木応答成分のメタボロミクス解析により探る樹木の不健全性
Project/Area Number |
21580196
|
Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
所 雅彦 独立行政法人森林総合研究所, 森林昆虫研究領域, 室長 (70343796)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 厚 独立行政法人森林総合研究所, 企画部, 室長 (30353642)
|
Keywords | メタボロミクス / 揮発性成分 / GC-MS分析 |
Research Abstract |
ナラ類の集団枯死の原因であるブナ科樹木萎凋病の病原菌を媒介している、穿孔性害虫であり養菌性キクイムシのカシノナガキクイムシにより加害を受けているミズナラ、コナラ等を研究材料とした。福島県・山形県・新潟県・長野県・岐阜県、滋賀県、島根県等のナラ枯損被害地の、加害を受けているミズナラ、コナラ、ブナと、無被害のミズナラ、コナラ、ブナの立木太の揮発性成分を比較分析するため、被害立木や丸太を環境分析用の樹脂フィルムで覆い、揮発性成分を小型ポンプを用いて、タイゴンチューブを介して吸着剤を含んだ吸着管に集める方法で気体捕集した。また、固相マイクロ抽出法(SPME)で直接捕集も試みた。捕集した揮発性成分をGC-MS等により機器分析し、その構成成分を推定、記録した。GC-MS分析の結果、共通する化合物を中心にテルペノイド化合物、芳香族化合物、アルデヒド化合物、アルコール化合物、炭化水素等合計30種以上の成分を検出した。検出した成分情報は、メタボロミクスを行うための多変量解析用のデータとして蓄積した。一方、気体補修した被害木及び未被害木の枝や葉を採集して研究室に持ち帰り、各種溶媒により抽出し、抽出物をHPLC等の各種のクロマトグラフィーを用いて精製し、被害木に多く含まれる抽出成分をそれぞれ分離し、IR、UV、NMR等の機器分析により分析し、メタボロミクスを行うための多変量解析用のデータとして蓄積した。
|
Research Products
(3 results)