2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の身体特性を考慮した園芸療法用木製設備のエルゴデザイン
Project/Area Number |
21580201
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大釜 敏正 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 教授 (60093209)
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Keywords | 園芸療法 / レイズドベッド / 高齢者 / エルゴデザイン / 木製 |
Research Abstract |
高齢者の生活の質(QOL)の維持・向上をはかるための代替医療としての園芸療法で用いる設備の設計に必要なデータを得ることが目的である。今年度は、室内で行う園芸活動に適した作業台とイスの高さの関係について33名の高齢者(男性20名、女性13名、平均年齢69歳)を対象に調べた。また、レイズドベッドを用いた立位姿勢によるグループ作業がどのような意味空間を構成しているかSD法を用いたイメージ調査を、男性6名及び女性14名の計20名(平均年齢57歳)を対象に行った。得られた結果は以下のとおりである。 1.室内用園芸作業台とイスの高さ (1)作業しやすい座面高として選ばれたイスは40cmのものが多く、男性は差尺(座骨結節点から作業点までの垂直距離)が17.5cm及び27.5cmとなる作業台をほぼ同数選択した。女性は差尺が17.5cmとなる作業台を多く選んだ。 (2)楽に手が届いて作業が行える座骨結節点からの距離は学生と高齢者の間に差はなかったが、少し努力すれば手が届く距離は学生の方が4cm~5cm大きな値をとった。楽に手が届いて作業が行える作業台前縁を基準にした作業域は、高齢者で約13cm、学生で約17cmの値をとる。少し努力をすれば手が届く距離の場合の作業域は、高齢者で約14cm、学生で約20cmの値をとる。以上のことから、高齢者の作業域は作業台前縁から13cm~14cm程度の範囲となり、若年層に比べると狭くなる。 2.グループで行う園芸作業のイメージ構造 因子分析から6つの因子が得られた。第1因子は和気あいあいとした作業の雰囲気、第2因子は作業動作(軽作業)、第3因子は作業の成果としての寄せ植えの出来映え、第4因子は大胆さ、第5因子は木製のレイズドベッドを利用した作業であったことから作業姿勢、第6因子は作業の内容・手順、をそれぞれ表す因子考えられた。第1因子の負荷が大きいことから、グループで行う園芸活動は、和気あいあいとした楽しい雰囲気が被験者の刺激となっていることがわかる
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