2009 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース系ブロックコポリマーの精密合成と超分子構造に基づく機能発現
Project/Area Number |
21580205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (10293911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助教 (60273489)
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Keywords | セルロース / オリゴ糖 / ブロックコポリマー |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従って下記研究を行った。 1.ブロック的メチル化セロオリゴ糖からなるナノカプセルの超分子構造解析 これまでに合成法を確立したブロック的メチル化セロオリゴ糖(ジブロック型3糖、4糖、5糖、6糖、ABAトリブロック型6糖、BABトリブロック型6糖)の超分子構造をAFM, TEM, cryo-TEM, DLSを用いて観察、検討した。その結果、超分子構造(会合体)は極めて多くの水を含み「疎」な状態であることが判った。さらに、上記化合物からなる超分子構造体はその分子構造に基づき異なるサイズとなり、熱刺激応答性もそれぞれことなることがわかった。さらに、ブロック的メチル化セロオリゴ糖を用いた疎水性化合物の細胞取り込み実験を行い、この化合物が細胞への化合物取り込みに有効であり、かつ低毒性であることが示された。 2.有機溶媒可溶性セルロース系ブロックコポリマー薄膜の調製 蚕が生み出すタンパク質の一つであるセリシンとセルロースからなるブロックコポリマー調製を最終目標に、セリシンのモデル化合物としてポリセリン鎖を1ブロックとしたセルロースアセテート-b-ポリセリン誘導体の調製を行った。セリン側鎖水酸基がベンジル基で保護された誘導体をトリホスゲンで処理し、serine N-carboxyanhydride(NCA)を調製した。そのserine NCAをセルロース誘導体末端に導入したアミノ基を開始基として脱炭酸開環重合させた。本年度は上記化合物の基礎的合成法を確立したが、調製した膜が弱かったためゼータ電位などの性質を調べるまでは至らなかった。
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Research Products
(11 results)