2011 Fiscal Year Annual Research Report
セルロース系ブロックコポリマーの精密合成と超分子構造に基づく機能発現
Project/Area Number |
21580205
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助教 (10293911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 助教 (60273489)
|
Keywords | セルロース / オリゴ糖 / ブロックコポリマー |
Research Abstract |
ブロックコポリマーからなる集合体はそのナノ構造が精密に規制できることから近年特に注目を集めている。しかしながらセルロース系ブロックコポリマーの研究例は少ない。研究代表者らはこれまでにそのようなセルロース系ブロックコポリマーの合成法に関する知見を蓄積してきたが、最終年度である本年度は以下の結果を得た。 1.両親媒性オリゴ糖誘導体を用いた低分子医薬品および遺伝子デリバリー実験 ブロック的メチル化セロオリゴ四糖と遺伝子との複合化物を調製した。更に、親水部にアミノ基を有するセロオリゴ糖誘導体の設計、合成も行い、遺伝子との複合化物も調製した。次いで、遺伝子デリバリー実験を行った結果、ブロック的メチル化セロオリゴ四糖により遺伝子導入率が向上したとのデータが得られたが、データにばらつきがあるため現在追試を行っている。 2.新規セルロース系ブロックコポリマーの合成と薄膜構造解析 CTA-block-ポリセリン誘導体、CTA-block-ポリグルタミン酸誘導体に加えてCTA-block-ポリリシン誘導体の合成も調製した。これらセルロース系ジブロックコポリマーの熱的性質を示差走査熱量分析(DSC)により調べたところ、ジブロックコポリマー特有の相転移挙動を示すことがわかった。その結果を元に熱処理を行い、薄膜中におけるミクロ相分離構造(超分子構造)の発現を試みた。原子間力顕微鏡、透過型電子顕微鏡による超分子構造の解析を行い、ミクロ相分離構造の形成を強く示唆する結果を得た。 以上、セルロース系ブロックコポリマーが形成する超分子構造により発現する新しい機能について知見を得た。
|
Research Products
(12 results)