2009 Fiscal Year Annual Research Report
木質複合材料のクリープ破壊に及ぼす水分の影響の解明と予測
Project/Area Number |
21580212
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
中島 史郎 Building Research Institute, 建築生産研究グループ, 上席研究員 (00344010)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修由 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 主任研究員 (10370701)
中川 貴文 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 研究員 (60414968)
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Keywords | 解析・評価 / 建築構造・材料 / 特性実験 / モデル化 |
Research Abstract |
ヒノキ無欠点試験片(寸法:20×20×420mm)を400体,パーティクルボード試験片(寸法:20×20×420mm)を400体それぞれ作製し、曲げ弾性係数が所定の範囲内にある試験片を200体をそれぞれ抽出し、力学的特性にばらつきが少ない母集団を作成した。抽出した200体の試験片うち100体の試験片について曲げ試験を行い、100体の試験片の最大曲げ耐力の平均値を算定した。最大曲げ耐力の平均値に対して90%、85%、80%、75%、70%の荷重レベルの荷重を試験片に載荷する長期継続荷重載荷試験を、温度20℃、相対湿度65%の標準状態において行う実験を開始した。 また、上記と同様の方法によって抽出したヒノキ無欠点試験片(寸法:20×20×420mm)とパーティクルボード試験片(寸法:20×20×420mm)に対して、最大曲げ耐力の平均値に対して90%、85%、80%、75%、70%の荷重レベルの荷重を載荷する長期継続荷重載荷試験を、温湿度変動下において行う実験を開始した。両長期継続荷重載荷試験ともに現在、継続して実施中であり、データを収集している。今年度開始した両長期継続荷重載荷試験は本研究の根幹をなす温湿度変動下における木質複合材料のクリープ破壊現象を解明する上で必要不可欠なものであり、これまでにない新たな試験的知見が得られる点において重要性が高い。 一方、クリープ破壊のモデル化に関する既往の文献を収集し、2つのバネ要素と1つの粘性要素からなるモデルや2つのバネ要素と2つの粘性要素からなるモデルを用いて木材のクリープ破壊を予測するモデルが提案されていることを確認し、内容を分析した。収集した文献の分析結果は本研究の根幹をなすクリープ破壊現象のモデル化にとって必要不可欠なものである。 なお、長期試験を主体とする研究であるため初年度の平成21年度は研究発表等を行っていない。
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