2009 Fiscal Year Annual Research Report
穿孔性多毛類より解析する世界的な人為的生物移動の実態とその影響
Project/Area Number |
21580216
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大越 和加 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (20233083)
|
Keywords | 移入種 / 穿孔 / 多毛類 / 貝殻侵蝕 / ポリドラ / 増養殖貝類 |
Research Abstract |
国内の増養殖貝類の貝殻に穿孔する多毛類の種、生物学的・生態学的特性の解析、ホストの貝類の 被害状況の解析、生息現場の環境の解析を行った。同時に、韓国の貝類に穿孔する多毛類の調査を行った。 国内・海外の多毛類の解析:陸奥湾・オホーツク海のホタテガイ、福島県・長崎県のアワビ類、三重県のアコヤガイ、韓国の貝類に穿孔している多毛類の種を確認し、過去に報告されている種と比較し、種の変遷の有無を確認した。同時に、生活史、生態学的特性について検討する。方法については、Sato-Okoshi (1999,2000)等を用いる。 (1)穿孔性多毛類の著しい侵蝕が観察されている海域の現場での被害状況の発祥過程の観察と貝類の採集を行った。 (2)海域の環境調査を試みた。 (3)貝類の貝殻をペンチ等で破砕し、穿孔している多毛類Polydoridsを摘出し、生体で観察後、10%中性ホルマリンで固定し実体顕微鏡、生物顕微鏡下で種を同定した。 (4)体サイズ計測、生殖簿細胞の有無やサイズ計測、卵嚢の有無やサイズ計測、卵嚢の飼育と卵嚢内の発生の観察、幼若個体の観察を行い、多毛類の種の貝殻への定着期、産卵期、消滅期、発生様式、成長、寿命などの生活史、及び個体群動態の追跡を試みた。
|