2010 Fiscal Year Annual Research Report
海水温上昇に伴いリスク管理が必要となる魚類の新興感染症の診断・治療方法の検討
Project/Area Number |
21580229
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20240294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 利明 宮崎大学, 農学部, 教授 (00363573)
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Keywords | レンサ球菌 / ブリ属魚類 / streptococcus dysgalactiae / ランスフィールドC群 / 抗原型 / コンゴーレッド |
Research Abstract |
我々(Nomoto et al., 2004, 2006 and 2008)は、病魚の早期診断法(PCR)を確立した。この技術は研究室レベルでは有効に機能するが、各県あるいは漁協における日常の魚病検査においては、手間および特殊機器・技術を必要とする。そこで、日常診断に耐えうる診断指針の確立を行う。そこで、新興感染症の原因細菌であるS.dysgalactiaeの分離・選択培地として、コンゴーレッド色素を用いた特殊培地を開発した。この分離・選択培地を用いることで、迅速・簡便な魚病診断を確立した。この技術は、養殖場の検査室でも簡単に応用可能であった。 新型レンサ球菌のワクチン開発の基礎研究として、日本で分離される菌株の抗原が同一であるのかを明らかにする目的で、抗原分析を行った。魚類由来の新型レンサ球菌Streptococcus dysgalactiaeは、ランスフィールドC群に分類され、畜産動物の菌株の同種菌株と非常に類似した抗原構造を保有していた。また、日本で分離された菌株と海外で分離された魚類由来の菌株も類似した抗原構造を保有しており、魚類由来の菌株間の違いは認められず、抗原型は1種類であるとの結論を得た。魚類由来の株は、スーパー抗原であるSpeGの遺伝子を保有していた。また、その遺伝子にはIS(挿入配列)が挿入されていることを明らかにした。この挿入配列をSpeGと共に検出することで、魚類株と哺乳動物由来株を識別することが可能となった。
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Research Products
(3 results)