2011 Fiscal Year Annual Research Report
海水温上昇に伴いリスク管理が必要となる魚類の新興感染症の診断・治療方法の検討
Project/Area Number |
21580229
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 准教授 (20240294)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊丹 利明 宮崎大学, 農学部, 教授 (00363573)
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Keywords | C群レンサ球菌 / ブリ / カンパチ / 抗原 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
魚類のC群レンサ球菌感染症の早期診断法(PCR)を確立した。この技術は研究室レベルでは有効に機能するが、各県あるいは漁協における日常の魚病検査においては、手間および特殊機器・技術を必要とする。そこで、日常診断に耐えうる診断指針の確立を行った。すでに、新興感染症の原因細菌であるS.dysgalactiaeの分離・選択培地として、コンゴーレッド色素を用いた特殊培地を開発した。この分離・選択培地を用いることで、迅速・簡便な魚病診断の確立ができた。この感染症は、従来の魚病細菌とは生育温度が異なる上に、増殖速度が違い、分離培養にある程度の技術を必要とする。よって、我々が開発した選択培地に基づく診断技術を確立することができた。 会離細菌の各種薬剤に対する薬剤感受性を実施した。その結果、この細菌がすでに耐性化している薬剤および感受性を示す薬剤を明らかにした。その結果、アンピシリンおよびエリスロマイシン等のマクロライド抗生剤には耐性化していないことが判明した。これらの薬剤が有効であると推察された。 新型レンサ球菌のワクチン開発の基礎研究として、日本で分離される菌株の抗原が同一であるのかを明らかにする目的で、抗原分析をした。魚類由来の新型レンサ球菌Streptococcus dysgalactiaeは、ランスフィールドC群に分類され、畜産動物の菌株と共通抗原を有することが判明している。しかしながら、魚類菌間での抗原性の違いについては詳しく研究されていなかった。抗原分析の結果、魚類由来株は非常に均一な細菌集団であり、抗原性の違いは菌株間では認められなかった。よって、抗原型は1種類であると結論した。
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Research Products
(1 results)