2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナマコの市場価値を決める疣足(イボアシ)形状は遺伝するか
Project/Area Number |
21580233
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
奥村 誠一 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (60224169)
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Keywords | ナマコ / 疣足 / 選抜育種 / マイクロサテライトDNA / 遺伝 / 種苗生産 / 養殖 / 市場価値 |
Research Abstract |
ナマコの疣足形質は市場価値を大きく左右し、乾燥ナマコにおいては疣足の数が多く長いものほど高値で取引される。本研究ではこの形質の遺伝性を検討した。 交付申請書に記載のとおり、平成20年度に作出した子集団(青森産、岩手産、北海道産親由来)および各親標本を用いて、体長、体重、疣足長、疣足数を測定後、管足組織よりトータルDNAを抽出してマイクロサテライトDNA遺伝子型を判別した。同様に分析した各産地の親の遺伝子型と子の遺伝子型を比較検討して親子関係を検討した。 5遺伝子座以上分析できた青森県、岩手県および北海道親子集団における片親または両親の判別率は、それぞれ16.2、38.0および28.6%であった。またそれらのうち、両親の判別率は、青森県、岩手県および北海道でそれぞれ9.0、20.0および4.8%であった。片親の判別率は、上記のように30%を超える場合もあり、100個体程度の分析個体数においても検討可能とする水準にあると思われるが、両親の形質を加味した検討を行うことに対する判別率としては不安定であった。今後は分析する遺伝子座数をさらに増加する必要がある。今年度においては、両親の親子判別率が不十分であったため、疣足形質の遺伝性を高い精度をもって個体レベルで解析するまでには至らなかったが、養殖場という実際の生産現場において、率は不十分ながらも親子を判別できたことは、今後の研究および選抜育種に対して極めて重要な知見を与えるものである。
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