2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580237
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 教授 (80247965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝井 健二 近畿大学, 水産研究所, 教授 (60197225)
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Keywords | 養殖魚 / 運動飼育 / 水銀 |
Research Abstract |
【目的】養殖シマアジの運動飼育では2トン水槽を使用したため細かな飼育条件の設定が困難であった。そこで,今年度は小型水槽(20L)およびグッピーを用いて運動飼育実験を実施した。また,飼育期間をシマアジよりも短期間に設定した。これにより,大規模な飼育実験に反映させ得る基礎データを取得することを目的とした。 【方法】2つの水槽(止水区,運動区)で市販のグッピー(雄)を50尾ずつ飼育した。サンプリングは最大6週間行なった。飼料は人工飼料に水銀を混ぜたもの(総水銀濃度1.4ppm,メチル水銀濃度0.72ppm,メチル化率52%)を用いた。運動区水槽は外掛けフィルターとエアレーションを用いて水流を作った。止水区水槽においては仕切板を導入することで水量をほぼゼロとした。給餌は1日1回飽食給餌を行い,両区の給餌量は同量とした。 【結果】飼育期間を通じ,両区の間に体長・体重における成長差は認められなかった。魚体の総水銀濃度・メチル水銀濃度は飼育期間の延長に伴って増加したが,いずれの期間においても,試験区の間に有意差はなかった。また,新陳代謝の活発化による脱メチル反応の活性化を期待したが,水銀のメチル化率においても両区の間に有意差は見られなかった。 本研究では運動飼育の水銀低減効果は認められなかったが,今後の検討課題としては(1)さらに流速を上げる(2)間欠運動の設定を変える(3)飼育水温を変える,などがあり,なお検討の余地はあると思われる。
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