2009 Fiscal Year Annual Research Report
海洋アルカロイド,ラメラリンの分子作用機構に基づく新規抗ガン活性分子の設計と合成
Project/Area Number |
21580248
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石橋 郁人 Nagasaki University, 大学院・生産科学研究科, 教授 (10192486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長冨 潔 長崎大学, 水産学部, 教授 (40253702)
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Keywords | トポイソメラーゼI阻害 / 海産天然物 / 分子設計 / ピロールアルカロイド / ラメラリン |
Research Abstract |
海洋天然物ラメラリンは、トポイソメラーゼI阻害活性によりがん細胞の増殖を抑制する。ラメラリンの中心ピロール環の窒素原子の位置を変換した二種類のトポイソメラーゼI阻害活性候補分子(イソラメラリン及びビスラクトン)をデザインし、これらの合成と活性評価を行うことが研究目的であるが、平成21年度はこれらの基本骨格の構築法を検討した。 1. イソラメラリンの合成 ベンジルイソバニリンから始め、芳香環2位の素化、4-ブロモクロトン酸メチルとのReformatsky反応、及び生成した水酸基のメトキシメチル保護により、4-アリールー4-アルコキシー2-ブテン酸メチルとし、このものとトシルメチルイソシアニド(TosMIC)アニオンとの[3+2]双極子付加反応によりピロール環を構築した。次いで、このものの分子内Heck反応、脱水反応、及びエステル加水分解により7-ベンジロキシ-8-メトキシベンゾ[g]インドール-3-カルボン酸とし、2-プロモ-5-ベンシロキシ-4-メトキシフェノールとのエステルとした。現在は、このものの分子内Heck反応による五環系基本骨格への変換を検討中である。 2. ビスラクトン型イソラメラリンの合成 フマル酸ジエチルとトシルメチルイソシアニド(TosMIC)との[3+2]双極子付加反応次いでアルカリ加水分解により得たピロール-2,5-ジカルボン酸を、2,4-ジヒドロキシベンゼンから別途2工程で調製した2-プロモ-5-イソプロポキシベンゼンとジエステル化した。このものの分子内ダブルHeck反応による1段階での五環系ビスラクトン基本骨格への変換を試みたが、半環化体で反応が停止した。現在このものからビスラクトンへの変換を検討中である。
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