2010 Fiscal Year Annual Research Report
農協出資による農業法人の発展と事業連携に関する研究
Project/Area Number |
21580260
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
納口 るり子 筑波大学, 生命環境系, 教授 (00323246)
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Keywords | 農業法人 / 出資 / 事業連携 / 農協 |
Research Abstract |
農協(全農県本部)が農業法人に出資を行った結果、様々な連携関係が構築されていることが明らかになった。まず、農業法人による、農協購買・販売事業利用が促進された。販売においては、農業法人が農協(全農県本部)の販売チャネルを利用するだけでなく、農業法人の持つチャネルに農協からの農産物が販売されるケースもあった。細かいスペックの製品が要求される販売チャネルの開拓や維持は、農業法人の方が得意な場合がある。このように、販売面での連携は双方向的であった。また、新規参入法人が規模拡大する際に、農協が農地のあっせんを行った事例があり、農協は農業法人と地域をつなぐ役割を果たしていた。農業法人の資本政策は、多くの場合はキャッシュフローを円滑にするための自己資本増強にとどまっているが、外部からの出資と共に人材を受け入れる農業法人の例や、多様なステークホルダーからの出資を受け入れることにより、農業法人の経営目的の透明性や法人の社会性を高めるという段階まで達している経営も、少数ながら存在した。出資と融資とは、キャッシュフローへの影響では補完関係を持つが、会社運営に対する効果と言う点では、出資の方がより高度な影響を持ちうる。外部からの出資を増強するためには、農業法人の収益性を改善することが必要であり、出資配当が可能な水準であれば、幅広い出資を募ることができるようになる。ただし現況では、出資を受けても配当を行っている農業法人は少数であり、そこに基本的な課題があると考えられた。農業人自身が他の法人に出資を行うケースとしては、研修生を独立させる際や、川下の業種と連携して生産や流通の事業を行う場合があり、幅広い事業連携の手法として、出資が利用可能であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)