2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
盛田 清秀 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80318386)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 世界農業類型 / 農地制度 / 農業構造 / 農業の国際比較 / 新大陸型農業 / 旧大陸型農業 |
Research Abstract |
農地制度及び農業構造の比較研究を実施した。本研究では農業構造の違い、例えばなぜ日本の農業経営は零細規模であるのかなど、を経営規模格差をもたらす歴史的条件や気候等風土条件に根差した農業技術体系(農法)の違いに着眼してその形成過程とメカニズムを解明しようとするものである。すなわち、理論的には世界農業を3つのタイプに分けたうえで(世界農業類型論)、その起源と類型成立の要因を明らかにしようとするものである。 具体的には、西欧諸国からの植民によって成立したアメリカ、オーストラリアなどの新大陸型農業、西欧や東アジア諸国における歴史的に徐々に形成されてきた旧大陸型農業という類型をまず立てる。新大陸型農業は先住民を排除しつつ新たな土地所有と農業・農場制度を確立していった大規模農業を特徴としている。すなわち固有の歴史的条件によって生み出されたある意味では極めて特殊なタイプの農業である。それにもかかわらず、現代における国際農産物市場をリードする農業構造を有している。これに対し旧大陸型農業は歴史的に徐々に形成されざるを得ないがゆえに飛躍的な構造変動によって一挙に大規模化することは極めて困難である。したがって新大陸型農業と旧大陸型農業においては競争力に格差が存在する。 さらに旧大陸型農業においてもヨーロッパ型と東アジア型という農業類型の違いをみることができる。この違いは主として気候・風土条件差に基づく農業生産力の違いに起因している。すなわち、2世紀以前においては、ヨーロッパでは播種量の5倍の収穫しか望めないのに対し、東アジアではモンスーン気候の夏季の高温多雨条件によって播種量の40~50倍の収穫が期待されたのである。この結果、家族を養い、貢租を納めるに必要な土地面積がヨーロッパと東アジアでは異なることとなり、現在の規模格差が成立したと考えられる。本研究はそのメカニズムを解明するためのものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)