2010 Fiscal Year Annual Research Report
疑似パネルデータ利用によるインドネシアとタイ農家家計の貧困要因の比較研究
Project/Area Number |
21580284
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
新谷 正彦 西南学院大学, 経済学部, 教授 (70069706)
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Keywords | 経済事情 / 国際農業 / 疑似パネルデータ |
Research Abstract |
インドネシアについては、インドネシアの社会経済調査(スサナスと略称される)の個別結果表を用いて、擬似パネルデータを作成し、賃金所得関数を推定し、教育投資の収益率を推定した。擬似パネルデータは、賃金所得関数推定の際の識別問題を回避する手段の一つとして採用された。教育投資の収益率の推定結果より、次の結論が得られた。すなわち、男子と女子の収益率は、それぞれ都市より農村の方が大きく、また、都市と農村の収益率は、それぞれ男子より女子の方が大きくなった。これらは、都市および農村の女子、そして、農村部の男子への高等教育は、経済的に十分引き合うことを示し、これら教育投資は都市農村間、および男女間の賃金所得格差解消への有力な手段となりうることを示すものであった。また、これらは、過去に、クロスセクションデータから得られた教育投資の収益率の推定結果をサポートする結果であることが示された。これらの成果は、『西南学院大学経済学論集』(Vol.45、No.4)に発表された。 タイについては、2006年のタイの社会経済調査の個別結果表を用いて、教育年数関数を推定し、賃金所得関数を推定し、都市農村別男女別に教育投資の収益率を推定した。教育年数関数を推定し、それを用いた教育年数の推定値は、賃金所得関数推定の際の識別問題を回避する手段の一つとして採用された。推定された収益率は、教育水準の上昇とともに、大きくなることを示し、初等教育、中等教育、および高等教育における収益率曲線が、教育水準の高まりとともに、右へシフトしている結果であると理解された。そして、この結果は、都市農村間および男女間の賃金所得格差解消に、都市および農村の男女の中等教育以上への教育投資が有効であることを示すものであった。これらの成果は、『西南学院大学経済学論集』(Vol.45、No.3)に発表された。
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Research Products
(2 results)