2010 Fiscal Year Annual Research Report
制度変革下における新たな大豆ビジネスモデルの成立条件に関する研究
Project/Area Number |
21580286
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
梅本 雅 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター, 研究管理監 (20370520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 信二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・大豆生産安定研究チーム, チーム長 (30355309)
笹原 和哉 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・北陸大規模水田作研究チーム, 主任研究員 (70355668)
後藤 一寿 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター・異業種連携研究チーム, 主任研究員 (70370616)
田口 光弘 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究チーム, 研究員 (90391424)
|
Keywords | 大豆 / ビジネスモデル / フードシステム / 生産性 |
Research Abstract |
海外の大豆生産状況を把握するために、米国イリノイ州の大豆生産者、大豆協会、大豆研究者等に対する聞き取り調査を2回実施し、中国の家畜飼料用大豆需要の増加から国際的な大豆需給の逼迫が予想されることや、日本向けのN-GMO大豆のプレミアムの水準が15%程度であることとその形成要因、イリノイ州やミネソタ州で大豆高単収の要因としての品種更新や有機物施用の効果、米国での大豆品質評価、さらに、N-GMO大豆の生産費水準等について明らかにした。 日本における大豆低収の要因として、多収品種の育成と実需者が求める加工適性確保の両立の困難さや、茎疫病等の病害に対する抵抗性品種育成や適用薬剤登録の遅れ、有機物施用の少なさ、さらに、増収に対する農業者のインセンティブが弱いといった技術的、制度的問題点を明らかにするとともに、それへの対策としての品種育成戦略や、土壌水分制御を核とした根粒活用技術の開発等の必要性を指摘した。 政権交代に伴う農業者戸別所得補償制度の導入効果を試算し、畑作物の所得補償による数量払の実施は、農業者に対して増収による収益増大の効果をより高めること、また、2万円/10aの面積払が早い時期に行われることは、大豆作経営の資金繰りにとって有効に機能することを明らかにした。 さらに、大豆作を行う集落営農組織と豆腐店が直接取引を実施しつつ、地域のブランド化を図り、商品よりも、消費者や雰囲気を楽しめる場所を提供し、そこで一種の物語を付けながら大豆関連商品を販売するというビジネスモデルの構築に向けた取り組みの特徴や有効性を提示した。
|