2009 Fiscal Year Annual Research Report
食行動記録データによる青果物消費減少要因に関する実証的研究
Project/Area Number |
21580287
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
大浦 裕二 National Agricultural Research Organization, 中央農業総合研究センター・マーケティング研究チーム, 主任研究員 (80355479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 清一 千葉大学, 園芸学研究科, 准教授 (60334174)
山本 淳子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター・農業経営研究チーム, 主任研究員 (00355471)
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Keywords | 食行動記録システム / 購買行動 / 家庭内消費行動 / 野菜入手点数 |
Research Abstract |
食行動記録システムの一部を改良し、11月16日~12月6日の3週間にわたり、購買行動及び家庭内消費行動について、首都圏4都県の20~50代女性を対象に、食行動記録調査を実施した。そのデータを用いて、野菜の入手点数、購買頻度、購入店舗数、メニュー数、食に関する意識など基礎的なデータが得られた。 また、野菜の入手点数によって食事内容がどのように異なるかの分析を行った。野菜の入手点数が多いグループは、夕食では1~2種類の野菜を使用したメニューを数多く用意することにより、食事全体のメニュー数や野菜の使用品目数を増加させている。また、朝食での生鮮野菜の使用が特に多いことも特徴である。一方、野菜の入手点数が多くないグループは、朝食に野菜メニューを用意することが少なく、夕食でも1食あたりの野菜メニュー数や使用している野菜の品目数は相対的に少ない。しかし、夕食で野菜メニューが出る回数はどのグループもほぼ同じであった。また、食に関する意識のうち、食品の買い物及び購入商品に関する事項では、生鮮野菜の入手点数が多いグループで食品の買い物が苦にならず、購入する食品の産地等に関心がある傾向が見られた。また、調理・保存に関する事項では、入手点数が多いグループでは、料理が好きであり、レパートリーが多い、料理の彩りや盛りつけにも気を配るとともに、下ごしらえ済みの食材はあまり利用しないとしていた。 以上のことから、どのグループの消費者も野菜を摂取すること自体は心がけていることがうかがえるが、時間的余裕がない朝食では、簡単な1品を出すかどうか、夕食であと1品、野菜メニューを作るかどうかが、全体としての野菜の入手点数の多さに影響していると考えられる。また、生鮮野菜の入手点数が多い層は、食に対して積極的な傾向があり、食に対する意識の違いが生鮮野菜の入手点数や食事での利用の仕方の違いの背景にあると考えられる。
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Research Products
(3 results)