2011 Fiscal Year Annual Research Report
谷津田を利用した窒素浄化実証試験の能力向上要因解析
Project/Area Number |
21580291
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
黒田 久雄 茨城大学, 農学部, 教授 (20205256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 亮 東京農工大学, 農学研究院, 准教授 (10302332)
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Keywords | 谷津田 / 窒素浄化 / 水田 / 流入負荷量 / 差引排出負荷量 / 田面効率 / 平面2次元モデル |
Research Abstract |
鉾田川は窒素汚染のある流坂である。その窒素流出を防ぐために、窒素浄化水田を以下のように設置した。2008年度に水田I(533m^2)と水田II(978m^2)を設置した。2009年度に水田III(669m^2)、水田IV(600m^2)、水田V(1,432m^2)を追加した。どの水田も湛水深を約20~30cmと深く取った。これは、水口と水尻の短絡流を防ぐためである。水田Iは2009年7月に大雨のため水口が壊れたため調査を中止した。水田IIは契約のため2010年12月で調査を中止した。水田IVは2010年12月で調査を中止した。その結果、本研究期間である2009年~2011年では、2009年水田II、2010年水田II、III、IV、V、2011年水田III、Vのデータを収集した。比較のため2010年と2011年のデータを解析対象とした。 各水田の流入TN濃度は、2010年が9.8mg・L^<-1>、16.0mg・L^<-1>、14.5mg・L^<-1>、11.5mg・L^<-1>であった。流入負荷量は、0.708g・m^<-2>・day^<-1>、0.902g・m^<-2>・day^<-1>、4.703g・m^<-2>・day^<-1>、1.432g・m^<-2>・day^<-1>であった。差引排出負荷量は、-555.9kg・ha^<-1>、-755.1kg・ha^<-1> -1,837.8kg・ha^<-1>、-737.3kg・ha^<-1>となった。2011年は、13.8mg・L^<-1>、11.4mg・L^<-1>であった。0.488g・m^<-2>・day^<-1>と1.833g・m^<-2>・day^<-1>で差引排出負荷量は-273.1kg・ha^<-1>と-632.2kg・ha^<-1>となった。 どの水田も窒素吸収型水田となり、窒素負荷削減効果に大きな役割を果たせることが確認できた。この負荷削減効果に及ぼす影響について検討した結果、最も大きな影響を与える要因は流入負荷量であることがわかった。流入負荷量と差引排出負荷量は、流入負荷量が大きくなると差引排出負荷量も大きくなり直線回帰ができた。R2は、0.9185と高い値を示した。 水田Vは2010年9月から畦波シートを3枚入れ4区画にした。2011年7月に12区画とした。シートを入れた効果はあまり明確でなかった。これは湛水深が20~30cmと深くしたことも大きな要因と考えられる。 これらの結果を基に平面2次元モデルの作成を試みた。結果として、シートの有無では濃度差は明確では無かった。しかし、濃度低下はシートを入れた場合の方が、少ない面積で低下させることができることがわかった。
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