2009 Fiscal Year Annual Research Report
弾性体モデルによる管水路流れ数値解の総合的な誤差評価
Project/Area Number |
21580293
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島田 正志 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (10272436)
|
Keywords | 流体工学 / 管水路 / 水撃現象 / 数値解析 / 誤算解析 / 定常波 / 時間補間 / 離散誤差 |
Research Abstract |
水撃解析・時間補間特性直線法に対して,時間補間誤差と離散化誤差(粘性問題)に起因する総合的な誤差評価を行い,弾性体モデルによる大規模パイプライン非定常流および定常流の統一的解析手法の確立に向けて残された重要な問題点を解明する.今年度は,規定格子を対象に、線形化した差分方程式から単一管水路システムの全体に対する多項式遷移行列をスペクトル分解より求め、有限領域で発生する定常波動に応用した。奇数モード、偶数モードを起こす境界条件を課した安定性解析により,単振動の変形を記述する複素増幅因子を決定する手法を一般的に定式化した。格子分割数に対応する離散的な周波数成分を規定する特殊な多項式(多項式遷移行列の要素でもある)を導き、無限領域での安定性解析から得られる多項式と整合することを示した。離散個の複素増幅因子を規定するこの特殊な代数多項式の分析から、離散化誤差(空間格子の大きさ)が減衰振動を崩壊させ過減衰をもたらす理論的可能性(質的側面),補間誤差が減衰振動の振幅減衰と位相誤差に量的にのみ影響すること、また、減衰振動を表す定常波の厳密解との照合により、両誤差の総合的な誤差特性を明らかにした。
|