2011 Fiscal Year Annual Research Report
弾性体モデルによる管水路流れ数値解の総合的な誤差評価
Project/Area Number |
21580293
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島田 正志 筑波大学, 生命環境系, 教授 (10272436)
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Keywords | 流体工学 / 管水路 / 水撃現象 / 数値解析 / 誤差解析 / 定常波 / 時間補間 / 離散誤差 |
Research Abstract |
時間補間特性直線法に対して,多項式遷移行列法により誤差を総合的に評価して,弾性体モデルによる大規模パイプライン非定常流および定常流の統一的解析手法の確立に向けて残された重要な問題点を解明する.前年度までに、単一管水路システム(有限領域)パイプラインシステム内の定常波動を対象に,規定格子、ダイヤモンド格子について、著者らが開発・定式化した多項式遷移行列法による安定性解析(定常波解析)と定常波動の厳密解との比較から時間補間誤差と離散化誤差(粘性問題:空間格子の大きさに依存)の総合的な誤差評価を行った。 今年度は、内部境界での弾性波の反射・透過が介在し一段と複雑なシステムへ手法を拡張し、誤差特性を総合的に明らかにする方法を明らかにした。偏微分方程式系の遷移行列法による自由振動解析の枠組みを用いて、特性差分方程式の多項式遷移行列法による自由振動解析法を一般システムへ適用する方法をグラフ理論的に定式化した。すなわち、各管水路の多項式遷移行列、内部境界条件、および、外部境界条件から、単振動の変形を記述する複素増幅因子を規定するシステムの固有多項式が誘導できる。この方法を、直列系、分岐系、ループシステムなど比較的単純な5っの管水路システムに適用して定常波動の解析解との比較により、位相速度、振幅減衰の誤差特性を検討した。補間誤差、離散化誤差は、定常波動の厳密値な周期(位相誤差)を、それぞれより大きく、小さくすること、総合的には、補間誤差の影響が大きく、全体として周期はやや増大することが判明した。静止から過度的流れ・定常波が減衰し定常流が形成されるまでの時間は、基本モードが支配し、振幅減衰の予測値にほぼ一致した。成果は、Journal of Hydraulic Engineering, ASCEに投稿中である。
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