2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本と中国のラーバンエリアにおける土地利用の変容と生活の質評価に関する研究
Project/Area Number |
21580296
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤居 良夫 Shinshu University, 工学部, 准教授 (60181327)
|
Keywords | 土地利用 / ラーバンエリア / 生活の質 |
Research Abstract |
1.日本の多くの地方都市では,高度経済成長期に農地の無秩序な開発が進み,スプロール化によって市街地が拡大してきた。現在,人口減少・少子高齢化が進む地方都市では,環境や財政の観点から,緑地や農地の配置を含めてラーバンエリアのあり方を再検討することが必要である。一方,中国の地方都市では,今後進むと考えられる無秩序なスプロール化を抑制しながら,環境に配慮したラーバンエリアのあり方を模索する必要がある。 2.そのため,H21年度は,地方都市の土地利用の変容を,複数期間の衛星データを用いて分析した。具体的には,(1)日本の地方都市における研究対象地域として,長野オリンピックを契機として上信越道および長野新幹線の開通により土地利用の変容が続いてきた上田市を中心としたラーバンエリアを取り上げた。一方,中国の地方都市における研究対象地域として,北京オリンピックを契機に急激な都市開発が進んだ河北省廊坊市のラーバンエリアを取り上げた。(2)1980年代から現在までの複数期間の衛星データを利用して,土地利用変化の実態を把握した。さらに,幹線道路計画や土地利用規制,人口の変化などの要因を考慮して,市街地の拡大に係る土地利用の変容を分析して,将来の土地利用予測を試みた。現在までの社会経済的情勢が続くならば,両地域のラーバンエリアにおいては市街化がさらに進み,緑地の減少が予測された。とくに,今後も人口増加が見込まれる中国においては,この土地利用の変容が著しいことがわかった。この研究成果は現在公表準備中である。
|