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2009 Fiscal Year Annual Research Report

表層吸引溶脱法による節水型除塩技術の開発

Research Project

Project/Area Number 21580298
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

猪迫 耕二  鳥取大学, 農学部, 准教授 (60243383)

Keywords乾燥地 / 塩類集積 / リーチング / 数値実験 / 溶質移動
Research Abstract

塩類集積は,乾燥地/半乾燥地の至るところで大きな問題となっている.初期段階における塩類集積はごく表層にスポット状に集積する場合が多い.本研究では,この事実に着目し,土壌に少量の水分を供給し,集積塩を溶解させた土壌水を表層から吸引することで塩を除去する表層吸引溶脱法を開発し,節水型の除塩技術の確立を目指している.
本年は,表層溶脱吸引装置を試作し,塩類集積層を設置した砂土と砂質壌土に対する実証実験を通じて,その性能評価を行った.また,HYDRUS3Dによる数値解析を行い,表層溶脱吸引法による土壌中の水分と塩分の挙動を明らかにした.成果は以下のように要約できる.
1)実証実験では塩分を流下させることなく表層から塩分を吸引排除することができた.砂土では,表層から深さ2cmまでの塩分を80%以上除去でき,砂質壌土では表層から深さ1cmの塩分を89%除去できた.
2)対照実験として行った従来法によるリーチング実験では,塩類集積層の洗脱に効果があるものの,供給した水量では塩が下層から土壌カラム外には排出されず土壌中に全て残存した.
3)数値解析により,供給した水分は砂土で2cmまで浸潤し,その後の吸引過程で上方に移動することが確認された.また,砂質壌土では,供給水による水分移動は1cmまでしか達しておらず,表層1cmの塩分のみを抽出していることが確かめられた.このことから,数値モデルで実証実験の再現が可能であることが確かめられた.今後は,モデルを用いて,砂質壌土に対する本法の運転条件の再検討を行うことが可能となった.
以上の結果から,表層吸引溶脱法を用いることで節水的に土壌から塩を除去できることが示された.

URL: 

Published: 2013-06-26  

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