2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジアモンスーン地域における農業生産域からの大腸菌および肥料成分の流出抑制対策
Project/Area Number |
21580301
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
三原 真智人 Tokyo University of Agriculture, 地域環境科学部, 教授 (00256645)
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Keywords | 環境調和型農林水産 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 大腸菌 / 流出抑制対策 |
Research Abstract |
本研究では、畑地からの大腸菌の流出特性を土壌や肥料成分の流出との関連性から調べるとともに、家畜糞尿や未成熟きゅう肥中の大腸菌数、施肥から表面流発生までの期間、土壌水分状態、温度条件、土壌流亡量等に基づいて畑地から流出する大腸菌数の予測式を検討している。具体的には、家畜糞尿、未成熟きゅう肥、完熟きゅう肥を施した模型斜面を用いて、人工降雨下における土壌侵食に伴う大腸菌の流出特性を定量的に把握し、土壌や肥料成分の流出との相関を調べる。さらに日本のみならずタイ国やカンボジア国において家畜糞尿や未成熟きゅう肥を施した畑地を対象に、大腸菌の流出特性を面的に調べる。併せて、畑地からの大腸菌のみならず土壌や肥料成分の流出を抑制できる保全対策についても検討する。特に保全対策については、家畜糞尿における発酵過程の管理、ペレット化処理、施肥前の風乾処理法等のきゅう肥中の大腸菌数を削減する対策ついて取り組む他、畑地で発生した大腸菌が下流域へ流出するのを抑制できる緩衝帯の評価等について研究を進めている。 平成21年度における研究実績は、以下の通りである。日本国内のみならずタイ国およびカンボジア国などのメコン河流域内の小流域を選定し、土地利用、営農、肥料、経営等の社会的因子に加えて、地形、気候、土壌等の自然的因子に関する基礎資料を収集し、モデル実験として大学内の人工降雨装置を活用して、家畜糞尿、未成熟きゅう堆肥、成熟きゅう堆肥を施した模型斜面ライシメータからの降雨に伴う大腸菌の流出特性を土壌や肥料成分の流出との関連性から究明した。併せて、家畜糞尿における発酵過程の管理、ペレット化処理、施肥前の風乾処理法等のきゅう堆肥中の大腸菌数を削減する保全対策ついて検討した。今後データを蓄積し、畑地での土壌侵食量に影響を与える降雨因子、土壌因子、地形因子、作物栽培因子、保全因子等の各因子に加えて、家畜糞尿や未成熟きゅう堆肥中の大腸菌数、施肥から表面流発生までの期間、土壌水分状態、温度条件等に基づいて、畑地から流出する大腸菌数の予測式について検討する。
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Research Products
(5 results)