2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580303
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
石田 聡 National Agricultural Research Organization, 農村工学研究所・農村総合研究部・地球温暖化対策研究チーム, 主任研究員 (30414444)
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Keywords | 水文 / 淡水レンズ / 地球温暖化 / 温度上昇 |
Research Abstract |
1実験室内によって淡水レンズの挙動を測定するため,高さ1.0m,長さ2.2m,幅0.8mの実験水槽の両端から塩水を,上側から降雨発生装置によって淡水を供給するための装置を作成した.また槽内の模擬帯水層内の電気伝導度を分布的に測定するためのセンサー,およびデータ集録装置を作成し,パーソナルコンピュータ上にデータを収録するためのソフトを開発した. 2沖縄県多良間島(総面積19.75km^2)をモデル調査地に選定し,既設井戸19箇所の地下水の電気伝導度鉛直分布を測定するとともに,電磁探査法によって,観測孔で塩淡境界が実測できない箇所について,淡水レンズの厚さを推定した.併せてRTK-GPS測量で調査地点の標高を求めた.電気伝導度の深度別測定では,淡水(ここでは電気伝導度200mS/m以下の地下水)の厚さを実測できた12箇所における淡水厚は0~7.2mであった.また電磁探査結果の解析により推定された塩淡境界深度は,電気伝導度1,840mS/mを示す深度(14m~23m)に対応していた.電気伝導度の深度別測定より求めた,電気伝導度が1,840mS/mを示す深度と,200mS/mを示す深度との相関関係(R^2=0.9以上)等より,塩淡境界深度が未知の7箇所において地下水測定および電磁探査結果から淡水の厚さを推定し,淡水地下水賦存量を求めたところ約680万m^3であった. 3多良間島の淡水レンズ賦存状況のモデル化に必要な,帯水層の透水係数,有効間隙率,ボーリング柱状図等の水文地質資料を沖縄総合事務局より収集した.帯水層である琉球石灰岩の透水係数は0.44cm/s,有効間隙率が0.15と,共に高い値であった.また基盤である多良間砂層の透水係数は10^<-5>cm/sオーダーであった.
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Research Products
(4 results)