2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580308
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田中丸 重美 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (10116478)
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Keywords | 自然エネルギ / 施設農業 / 中山間地 |
Research Abstract |
本研究では傾斜地に設置された傾斜ハウスに、ハウスより上部斜面の地下に埋設したパイプを通すことによって人工の風穴を作り、夏期にこの風穴を通して冷気を送り込んで施設内を換気冷却するシステムの開発を目的とする。一般に日本の南西暖地の平野部では、地下1m深部では夏期でも20℃以下、地下2mになると15℃以下であることが知られている。それゆえ,深さ1m以上の地下にパイプを埋設し、地温で冷却された冷気を、空気の密度差を利用してハウス内に導入すれば、一切の外部動力を使わずに夏期のハウス内温度を低下させることができる。本課題では、冷却に必要な風量・温度を得るための埋設パイプの形状や長さ、空気取り入れ法の改良、流路全体の最適設計を行い、既設の試験設備を用いてシステムの適応限界を明らかにし、冷却量が理論値の80%以上である当該システムのプロトタイプを完成することを目標に取り組む。本年度は、昨年度設置した善通寺市にある四国農業センタの傾斜地に、深さ1mおよび3mに地下パイプを埋設し観測を行った。夏季、冬季とも、地温と気温の差が大きくなるほど冷気の流量が増加することが明らかになった。また、流入気流中の二酸化炭素濃度が高くなることが判明した。
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