2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580311
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)
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Keywords | 線虫 / 植物エッセンス / 不動化率 |
Research Abstract |
近年、化学的線虫防除法は、処理後急速に線虫密度が増加するリサージェンス現象やオゾン層の破壊などの環境への負荷が指摘されている。さらには、人体や家畜に対する悪影響があるため、将来的にはこれらを用いない線虫制御技術が望まれている。そこで本研究では、線虫に対する環境保全型防除の開発を行うため、植物の力を生かした植物由来エッセンスの殺線虫効果に着目し、杉類(ヒノキシオール)、月桃(オイゲノール)、ペパーミント等の殺線虫効果を本年度は調査した。その結果、以下のことが明らかになった。 1)砂壌土20gを用いて殺線虫効果を調査したペパーミント処理区、エタノール処理区では、投入量0.5mlと0.25mlにおいて死亡率100%を示し、0.025ml処理区でも、それぞれ95%、90%を示した。D-D処理区では処理量に関係なく常に線虫死亡率100%を示した。以上の結果から、砂壌土(含水比12.8%)において、ペパーミント、エタノールにはD-Dと同程度の殺線虫効果があることが判明した。 2)ヒノキチオールを土壌中の線虫に処理して防除効果を調べた結果、0.25ml~1.50ml処理区で線虫死亡率は90%を示し、ヒノキチオールの殺線虫効果は濃度に大きく関わることなく、その効果を発揮することが確認された。 3)供試土壌20g中に、オイゲノール3.0%水溶液を5.0ml、3.3ml、1.7ml、0.83ml処理し、恒温装置内(25℃)で7日間保存し、処理後7日目の線虫生存頭数をカウントした結果、線虫不動化率は、処理後7日目にオイゲノール水溶液濃度3.0%処理区、2.0%処理区ともに約99%、1.0%処理区で約85%を示した。
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Research Products
(1 results)