2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21580311
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
御手洗 正文 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094083)
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Keywords | 線虫 / 植物エッセンス / 不動化率 |
Research Abstract |
本研究の目的は、農薬による線虫防除法の代替技術として、植物エッセンスによる「環境に優しく,人畜無害で,土壌の残留性がない線虫防除技術を確立」することである。本年度は、ニッケイ属(ニッケイ属、肉桂属、Cinnamomum)の含有成分であるサフロール、リナロール、trans-シンナムアルデヒド等の殺線虫効能を検証した。その結果、以下の事が明らかになった。 1.サフロール原液を土壌中の線虫に対して処理した結果、処理後5日目に0.05ml処理区でも死亡率100%に達し、サフロール原液は極めて高い殺線虫効果と即効性を持つことが明らかになった。 2.リナロールを土壌中の線虫に対して処理した結果、線虫死亡率は7日目にすべての処理区で100%に達し、高い防除効果を示したが、即効性は期待できないことが明らかになった。 3.trans-シンナムアルデヒド原液は、0.50ml、0.25ml、0.10ml処理区において100%の死亡率を示し、高い殺線虫効果を持つことが明らかになった。しかし、0.05ml処理区では93.0%を示し、限界処理量は土壌20gに対し、0.05ml~0.10mlの間に存在した。 4.サフロールとリナロールの線虫死亡率を比較した結果、サフロールはリナロールよりも、少ない処理量で線虫に対して即効性があり、かつ、殺線虫能力が高いと推定された。 5.サフロールとtrans-シンナムアルデヒドを比較した結果、サフロール原液処理後5日目にすべての処理区で線虫死亡率が100%に達したのに対し、trans-シンナムアルデヒド原液処理後7日目における0.05ml処理区では、線虫死亡率が93.0%に留まった。つまり、サフロールはtrans-シンナムアルデヒドよりも、線虫に対して即効性があり、かつ、殺線虫効果が高いと推定された。
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Research Products
(1 results)